玄米は白米に比べて栄養価が高く、健康面・美容面・ダイエット面を意識されている多くの方に既に取り入れられている効果の高い食品です。
ですが、良い食品だからこそデメリットはないのか気になるところです。
・玄米の毒って?
・農薬は大丈夫?
・体に影響はないの?
・自分には合うのかな?
・子供も高齢者も食べられる安心な食品なの?
これらの疑問を解決して、玄米の不安を消していきましょう。
玄米とは
まずは玄米について簡単な説明です。ご存知の方は飛ばしてくださって大丈夫です。
胚芽・ぬかにはビタミン・ミネラル・食物繊維が豊富に含まれており、白米にはない栄養がたっぷりです。
玄米の危険性4つ
玄米の良さがわかったところで、次によく言われている危険性についてお伝えしたいと思います。
先に結論を言ってしまうと「気にする必要はない」ということです。
なぜなら、玄米を危険とするならば、他の野菜や食品も危険だと言わざるを得なくなるからです。
1. カドミウム
重金属として懸念されるカドミウムですが、市販として出回るには0.4mg/1kg以下に制限されています。
玄米だからと言って、過度にカドミウムが含まれた商品が流通しているわけではないので、心配はいりません。
2. フィチン
「フィチン(イノシトール6リン酸)」は、植物の三大栄養素のひとつであるリンの貯蔵をする役割のある物質で、特に種子に多く蓄積されています。
フィチンは金属元素と結合しやすい性質を持ち、種子の中ではカルシウムや鉄などの金属元素と結合した状態で存在しています。
悪影響としてはカルシウムや鉄などミネラルの吸収効率を低下させてしまうと言われています。
悪影響をなくす方法1
そもそも、バランスよく普通に栄養素摂取できているなら問題ありません。
フィチンの悪影響を受けるのは偏食の人という研究結果が出ています。
極端な菜食主義や、発展途上国で見られる貧しい食生活にのみ現れることが明らかになっています。
1〜2g/日のフィチン酸の高摂取でも標準的なバランスの良い食事をしていれば、体内のミネラル状態に大きな影響を与えることはないので、心配する必要はありません。
悪影響をなくす方法2
フィチンは穀物・豆類・加工食品に多く含まれています。
玄米はその中でも特に含有量が多い訳ではなく、むしろゴマ・トウモロコシ・オートミールなどの方が多く含まれます。「玄米だからフィチンの危険性がある」と考えるのは間違いです。
むしろ食品添加物(食品の変色予防、pH調整、酸化防止)として使われているので、玄米よりもそちらに注意した方が良いでしょう。
悪影響をなくす方法3
それでも心配な方は、フィチンの相殺栄養素のある食品を摂りましょう。
相殺できる栄養素として、ビタミンC・有機酸・発酵生成物(発酵食品)・動物性タンパク質を玄米と一緒に食べましょう。
酸性を示す有機化合物の総称で「〇〇酸」とつくもの。
酢酸(お酢)・クエン酸(梅干し・柑橘系)グルタミン酸(昆布・醤油・味噌など)・イノシン酸(鰹節・肉類など)・グアニル酸(干し椎茸)など。
悪影響をなくす方法4
いくつかのサイトでも玄米に含まれるフィチンをそこまで危険視する必要はないとした上で、それでも心配な方は、フィチン酸を無毒化する方法として3つの方法を紹介していました。
・玄米を浸水すること(最低12時間〜24時間)
・発芽させること
・発酵させること
これまでの1〜3で玄米に含まれるフィチンの影響は殆どないと考えられるので、これらの方法は気休め程度に捉えると良いと思います。
実はあったフィチンのメリット
フィチンはデメリットばかりではありません。
主に知られているメリットをいくつか挙げました。
・腎臓結石に対して予防効果がある。
・結腸がんに対して予防効果がある。
・血液を凝固しにくくさせる作用で血栓予防や貧血予防、また尿結石予防の効果も期待できる。
3. アブシジン酸(ABA)
タネに含まれる発芽抑制因子。
タネはある程度の水と温度がないと発芽しないようになっています。
「アブシシン酸」は植物の生長や生理活性を調節する「植物ホルモン」として知られている化合物で、植物全般に存在するほか、菌類や藻類、動物細胞からも検出されています。
「ミトコンドリア毒」「発芽毒」など、ミトコンドリの働きを抑制してしまうと言われています。
悪影響としては、ミトコンドリアはエネルギーを作る役目を担っているので、体温が下がったり免疫力の低下で病気になりやすくなるということです。
悪影響をなくす方法1
ネットではアブシジン酸の悪影響についてよく見られますが、しかしそのような証拠(論文・参考文献)は見つかっていません。
ただし、植物細胞においてアブシジン酸が発芽を抑制するためにミトコンドリア呼吸を低下させるなどの論文は多々あります。しかし、人間の体でそれが起きているという証拠は薄いです。
悪影響をなくす方法2
フィチン同様、「玄米のアブシジン酸が他の食品と比べて特別多い」ということはありません。
アボガド・柑橘類・大豆の方が玄米と比べて圧倒的に多いです。
アブシシン酸は植物全般に含まれている化合物です。つまり、私たちは日常的にさまざまな植物からアブシシン酸を摂取しているということになるので、もしもアブシシン酸に毒性があるのであれば一大事です。
実はあったアブシジン酸のメリット
・PPARyとの相互作用により炎症を軽減し、糖尿病・動脈硬化症・炎症性腸疾患などの症状に有益な効果を発揮する。
・アメリカではABA欠乏は心血管疾患や糖尿病の発症リスクとなるとして、むしろABAの摂取を推奨している。
4. 残留農薬
農薬は外側の「もみ」内側の「ぬか」部分に含まれています。玄米には「ぬか」があるので、白米に比べて農薬が残りやすいのは事実です。約80%の残留農薬はぬか部分に見られています。
悪影響をなくす方法
「有機JASマーク」のついたお米で、「農薬未使用」「有機栽培」「自然栽培」「特別栽培米」「残留農薬0」のものを選びましょう。
農薬由来の成分を一切摂取したくない場合には、特別栽培農産物または有機農産物JAS認証を取得したもので、かつ「残留農薬不検出」の玄米を選びましょう。
見落としがちな無農薬1
栽培中に農薬を使用していなくても、農薬が残留している場合があります。
例えば、風にのって飛散してくる農薬や、前作以前から土の中に残っている化学肥料があるなど。
特別栽培農産物は「栽培期間中」の農薬・化学肥料の使用に関するルールとなっていて、収穫した農産物から「残留農薬」等の成分が検出されることもあります。
見落としがちな無農薬2
「オーガニックなら無農薬」というイメージも間違いです。そもそも、有機JAS規格では、一部の農薬の使用が認められています。
もちろん、化学合成農薬の使用は禁止されています。有機農産物JAS規格では、天然物や、天然物由来の一部の農薬に限り、使用することが許されているのです。
また、有機JAS認証を取得せずに、有機JASに準ずる生産方法で栽培をしている生産者も存在します。
なぜ認証をとらないのか?
多いのは「認証をとるのは時間的にも金銭的にも負担が大きい」という理由です。審査にかかる費用は手数料だけでなく、調査員の交通費や宿泊費などの旅費等も、申請した側が負担します。しかも、一度認証を取得すればそれで終わりではなく、有機JAS認証を継続する限りは、毎年これを続けなくてはなりません。
「農薬は絶対避けたい!」という場合は、収穫後に「残留農薬検査」をして不検出の結果が得られたお米を買いましょう。
「合鴨農法」を活用した農薬や化学肥料を一切使用していないお米で始める玄米生活
玄米のデメリット3つ
ここまで玄米の危険性についてみてきました。
ここからは玄米が合わない人・デメリットについて更に見ていきたいと思います。
1. 消化によくない
玄米は栄養価が高くても消化が難しい食品です。消化不良になりやすいので、
・消化器官が弱まっている方
・消化器官が発達してない幼児
などには不向きです。
妊婦さんは健康面に問題がなければ食べても大丈夫です。
玄米は食物繊維(特に不溶性食物繊維)が豊富です。不溶性は水で膨らみ腸の壁を刺激することで「ぜんどう運動」を促し排便しやすくします。整腸作用やデトックスに良さそうですが、消化器官の機能が弱まっていると、腸の中で詰まって逆に便秘になってしまう場合があります。
2. カロリーは変わらない
白米と比べてミネラルやビタミンは豊富な玄米ですが、カロリーは白米と大して変わりません。
低カロリーなイメージですが、なんにせよ食べ過ぎは注意しましょう。
また、硬くよく噛むことで少量で満腹感が得られますし、消化器官もしっかり働くようになります。
3. 玄米だけ食べればOKとはならない
玄米はスーパーフード、完全栄養食みたいに言われるほど確かに栄養価の高い食品ではあります。
ですが、(玄米に限らず)それだけ食べればOKということはありません。
食べ物を見直すなら、とにかくバランスが大切です。
特に玄米の不溶性食物繊維と一緒に「水溶性の食物繊維」(海藻・果物・納豆など)をとることはとても大事です。
消化しにくい・まずい玄米を食べる方法
玄米は消化不良しやすい、便秘を起こしやすいとお伝えしました。
また、ボソボソして「まずい」、食感が好きになれないなどの合わないという声もあります。
それでも、やっぱり白米よりは栄養のある玄米を食べたいな・・・
という方にお勧めしたいのが「発芽玄米」「発芽酵素玄米」です。
発芽玄米とは
玄米を30度台の水に2〜3日浸すと、芽が出てきます。これが発芽玄米です。
芽を生やすだけで栄養価も上がり、食感も柔らかくなるので、玄米のボソボソ感が気になる方にはお勧めです。
たまに発芽しない場合は、やり方に問題があったりします。(水温など) ですが、たまに発芽しない(死んでしまっている)市販の玄米もあるようです。
そしてより栄養価を高めたい、もっと白米に近い食感にしたいという方は「酵素玄米」がお勧めです。
(発芽)酵素玄米とは
発芽玄米でも、だいぶ柔らかくなるので消化しやすくなりますが、さらに熟成させることでよりモチモチした食感に近づきます。
基本的には「玄米」プラス「小豆」と「塩」を入れます。
そうすることで、さらに栄養価がアップして、強い抗菌作用により熟成中の玄米が腐りにくくなるなるんです。
発芽玄米は水に浸した後一般的な炊飯器でも炊けますが、酵素玄米は発芽玄米を保温して熟成することで、柔らかさや旨味が増します。
楽に作る方法
玄米を発芽させるには、自分で水温に気をつけながら2〜3日待たなければいけませんが、ちゃんとした炊飯器で作れば、発芽〜炊飯まで5、6時間で出来てしまいます。
これから玄米食を始めたいという方は頻繁に玄米を炊くと思うので、折角なら玄米を発芽させられる「発芽玄米」の機能がついた炊飯器を使うことをお勧めします。
「発芽玄米」機能のついた炊飯器なら、保温機能も一般の炊飯器と格段に違うので、保温して熟成させる「酵素玄米」も簡単に作れます。
6日くらい保温しても臭くならず、カビも生えず、むしろ熟成できるので忙しい方もいちいち作らずに美味しいお米が食べられるので丁度良いと思います。
まとめ
「玄米にしてみようかな」と思っている方は、きっと内側から身体を良くしたい、綺麗にしたいと考えている方だと思います。身体の栄養のバランスが整うということは、身体の内側も外側も綺麗になるだけでなく、心も安定します。
忙しくて時間のない人、少ない食事の中でもきちんと栄養を取りたい人、健康に気を使いたい人、体を大切にしたい人は、まず食べ物から変えていきましょう。
白米やパンなどはもちろん美味しいですが、「美味しい+栄養のある体にいいもの」を取り入れたいですよね。
玄米にはその価値が十分にあります。
そして、その玄米の価値をより高める「発芽玄米」や「酵素玄米」は初心者の方にも食べやすくおすすめです。
健康や美容はお金で買えます。そしてそれ以上の価値を生みます。いくつになっても自信を持って生きられる体づくりを始めましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
私のおすすめする安心安全の「くりや」さんの玄米食品。そして一般の炊飯器とは格段に違うふっくらもちもちの玄米ご飯をお届けします。
コメント